ビジネスおネエの長谷川君

「さすがぁ!じゃ、ホットコーヒーとぉ、ハニー……」


思わずオオカミ男の顔を見る。


爽やかだ。


ワイルド気取りなくせに、爽やかに微笑んでいる。


連れてきた相手が、同じものを選ぼうとも、涼しげに知らんぷりを決め込むつもりか。


「ハニーローズティー、ホットで」


「了解!カワイイ子がハニー系好きなのも、法則かもねっ」


メニューボードを下げながら言う。


深い意味など全く汲み取ろうとせず、目先の『カワイイ』に反応して嬉しがっている浅い、ブリブリ女と、


その女以外目に入りませんよ、と言わんばかりに優しく微笑むオオカミ男。


……結局、大した攻撃も出来ずに戦場(単なる5番テーブルだけど)から去る俺。