ビジネスおネエの長谷川君

「すいませーん」


あろうことか、オオカミ男の連れの女の子が俺を呼ぶ。


他にもホールに人いるだろうが、と思うものの、勿論いい笑顔を作り、


「はぁ~い」


と、向かう。


「えっと、注文いいですかぁ?」


……顔はとってもかわいらしいけど、そのブリブリトークスタイルは頂けねーな。


そのトーンが許されるのは、かわいさレベルそれなりの10代女子か、おネエのみだ。


……いけないいけない。この子に罪はない。


だけど、オオカミ男を見たら何をしてしまうか分からない。


極力、このブリブリ女とのみ、最小限の会話でオーダーをもぎ取り、さっさと退避がベター。


……分かっているのに、つい余計な口を挟む。