「冗談よ。どうせ週末は混むからヘルプに入ろうと思ってたの」


「……マジですか」


声はがらがらだけど、別に体調は悪くない。


だけど、このまんま、あの二人をヤキモキしながら見ていたら……絶対体調悪くなる気はする。


逃げるみたいで、嫌だけど。


ちょっと甘えてしまおうか。


「あ、スタッフルームにお土産あるからよかったらどーぞ!

視察がてら、ライバルのとこのドリンク買ってきたんだけど、ちょうど風邪にいいかも!

お大事に~」


ゆりあは言いながらもう俺に背中を見せ、手をひらひらと振っている。


ありがとう、ゆりあ。