井上「そうだねぇ…恋というのは……」




絵美「…恋……というのは…」





ゴクリと固唾を呑み緊張を露わにする。





井上「恋というものは…それは……」




絵美「…それは……」





井上「何だろうねぇ……」




絵美「え……、教えてくれないの!?」




井上「いやあ…教えてやろうと思ったが説明が難しかった。やっぱり自分で考えなさい」




そう言って源さんはニコッと笑った。




絵美「…ぇ……えぇぇぇぇぇえ!!!」





ここまで引っ張っておいて………。




絵美「源さんのケチ…」



井上「何か言ったかい?」



絵美「…ぃぃぇ……」




結局、源さんは何も教えてくれなかった。





……………………………………




自室に戻って来た私…。



絵美「はぁ…。何の取り柄もないただの女子高生なのに……」




一体、私のどこが良いのだろうか。




タイムスリップした時に持っていたポーチから手鏡を出して覗いてみる。




絵美「…別にそこら辺の人達と変わらないじゃん…」




何故あんな美形揃いの幹部達が平凡な私なんかに。




男並の体力にド派手な金髪……。




……平凡ではないかもね。




絵美「はぁ……」





溜息を吐きながら畳の上をゴロゴロと転がる私。