沖田と藤堂がそんな話をしていた事を試合している絵美は知らない。




絵美「ゼェ、ハァ、ゼェ、ハァ…一……強すぎる……」




斎藤「お前も四月でここまで強くなるとはな」




絵美「褒めてるの?」




斎藤「あぁ」




もう疲れたから絶対に次で終わらせる!




一か八かの勝負!!!




運が良ければ勝てるかもしれない!!




そう言って私は高く跳ぶと一目掛けて竹刀を振り下ろした。




パァァァァァンっ!!!!














斎藤「まぁまぁだな」



勝ったのは斎藤だった。




絵美「悔しいーーーーー!!」



斎藤「…………まぁ、女にしては強いのだろうな」




絵美「………さようですか。でも負けているので褒められてもあまり嬉しくはありません」



斎藤「そうか」




斎藤一め……。



いつか絶対に倒す!!!!!



私はそう心に強く誓ったのだった。




絵美「一!!!いつか必ず倒すっっっ!!!」



斎藤「…そうか」



絵美「何この温度差…」



斎藤「さあな」





コノヤロ。



私がこんなに燃えているというのに……。



涼しい顔しやがって。





藤堂「絵美!お疲れさん!」



はん!!



何この可愛い笑顔は!!!!




正に癒し!!!!




絵美「ありがとう、平助!」



原田「いやぁ、しかしお前も強くなったな!」



そう言って大きな手で私の頭を撫でてくれた原田。




絵美「そうだ!土方さん、私を隊士にしてくれますよね?」



土方「………この件については俺一人で決められることじゃねえ。近藤さんと山南さんと話し合う」



そう言うと近藤、土方、山南は道場から出て行った。




永倉「何でお前は隊士になりてえんだ?」



絵美「だって折角ここまで鍛えたんですよ?それに、みんなの側にいられたら安心でしょう?」




藤堂「でも俺…もし絵美が斬られたりしたら……」




絵美「平助……。でもさっきの試合見てくれてたでしょう?幹部の人と互角…って言っていいのか分からないけど、兎に角戦えてた。だから大丈夫!」




藤堂「でも…」




沖田「まぁ、絵美さんが大丈夫と言っているんですから大丈夫でしょう」




永倉「そうだな。何かあれば俺が守ってやるから」




原田「"俺"じゃなくて"俺達"だろ?」




斎藤「そうだな。何かあれば俺たちがいる。それにあれくらい強ければ大丈夫だろう。己の信じる道を行け」




絵美「みんなありがとう」