天皇「お前、他に得意な事はないのか」



絵美「あります!剣術、忍術、柔術が物凄く得意です!後、銃も扱えますし乗馬も出来ます。まぁ体を動かす事なら出来ないことはあまりないですね」




天皇「………女子とは思えんな」



慶喜「コイツ、剣術、忍術、乗馬、銃を四月で上達したんですよ。剣術なんて免許皆伝です」




慶喜がそう言うと天皇は目玉が溢れんばかりにかっ開いている。





天皇「儂は相当素晴らしい者を手に入れたようだな」




絵美「あぁ、そうだ慶喜。私暫く新撰組に帰りたいの」




慶喜「何故だ」




慶喜の問いかけにニヤリと怪しく笑う絵美。




絵美「これから新撰組が大手柄をたてるの。私はそれを側で見守りたい」




慶喜「……二条城から陰ながら見守ってやれ」




絵美「ダメダメダメダメ!これは本当に譲れない!」





慶喜「では、俺たちはそろそろ失礼致します」




絵美「こらっ!人の話を聞きなさい!」




慶喜「ほら行くぞ!」




そう言って私の首根っこ掴んで引きずる慶喜。




絵美「離してよ〜〜!!!あ、孝明天皇また来ますね〜!さようなら!」





スパンッ




天皇「じゃじゃ馬じゃな」





……………………………………






あれから半強制的に二条城へ連れ戻された私。





スパンッ



ペイッ




私の部屋に着くなり捨てられてしまった。




絵美「いったい……わね!」



慶喜「で、これから起こる事は長州が関わっているのか?」



絵美「そうよ。新撰組が沢山殺すの。でもね、中には死んではいけなかった人もいるの。だからそれを阻止しないと」



慶喜「お前は…」




絵美「でもそれだけじゃなくてね、新撰組でも殺される人がいるし深傷を負う人も出てくるから」




私がそう言うと慶喜は溜息を一つ吐いて私の顔を覗き込んだ。




慶喜「それが終わったら戻ってくるのか?」





絵美「……………」





そんなの分からない。




私の計画が上手くいって深傷を負う人がいなければ直ぐに戻って来ることができると思う。




でも、そう簡単に歴史は動かない。




約束も出来ないのに頷くことなんて出来ない。





絵美「……分からない。私の計画が上手くいけば直ぐに帰れる。でも失敗したら…」





慶喜「…………ならこうしよう。1年だけお前に猶予を与える。その間に全てを終わらせてここへ戻って来い。呑めるか?」




絵美「…………、分かった」



慶喜「よし、早速新撰組の者に連絡をしておく」



絵美「あ、サプライズにしたいから言わないで!」



慶喜「は?」



絵美「あぁ、驚かせたいから!」




慶喜「分かった」




そう言うと慶喜は私の頭をクシャッと撫でて私の部屋から出て行った。




私は一人になってしまった部屋の窓?みたいなものを開けた。



未来とは違って澄んだ空に数千億の星屑達。




絵美「……はぁ。私は元々新撰組なのに…」





私の切ない独り言は誰にも聞こえることなく冬の寒空へと消えていった。