芹沢「………………女のお前に何が出来る?いくら剣が使えるとも男には敵わんだろう。いずれお前は足手まといになる筈だ」
絵美「………………確かに女の私は男の人の力には敵いません。でも、私にしか出来ないことがあるんです。壬生浪士組を大きくした後は政に参加します。そして誰にも成し遂げることのできない事をやってのけます」
芹沢「…………………」
絵美「私は未来から来ました。だから…私はいつ誰が死ぬのか、いつどのような事が起こるのか、全て知っています。それを利用して日本を統一してみせます。浪士組はいずれ新撰組と言う新しい名を貰います。そして、この後起こる大きな事件をきっかけに新撰組の名は日本中に知れ渡り、多くの者が新撰組に入隊します。新撰組は農民上がりの荒くれ集団です。しかしそんな彼等が幕臣に取り立てられるんです。身分の差と言う大きな壁を乗り越え、私の住む150年先も尚、新撰組の歴史は語り継がれます。貴方達新撰組は英雄なんです」
芹沢「………………ふんっ、何故それを今儂に言ったんだ」
絵美「それは…………」
芹沢「…………………フッ」
芹沢さんは小さく微笑むとおもむろに立ち上がった。
絵美「どこ行くんですか?」
芹沢「稽古…するのだろう」
絵美「私の……私の私の話を信じてくれるんですか?」
芹沢「何だ、嘘を付いていたのか?」
絵美「違いますけど…、大体の人は疑うので…」
芹沢「お前の髪色、芯の強さを見ていれば分かる」
絵美「芹沢さん……」
芹沢「道場へ行け!儂が行くまでに素振り500本終わらせておけ!!」
絵美「はいっ!!」
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パァァァァァン!
絵美「いったぁぁぁぁあい!!!もう少し優しくして下さいよ!!!」
芹沢「儂に稽古を頼んだ以上、文句は聞かん!さぁ、早く構えろ!!!!」
絵美「……はぁ…………」
芹沢「集中するんだ。竹刀の動きをよく見ろ。そして相手の動きを気で感じるんだ」
絵美「……気で…」
芹沢「行くぞ」
絵美「はいっ!」
芹沢は竹刀を大きく振り上げると絵美の胴目掛けて振り下ろした。
絵美「(いける!)」
私は素早く芹沢の後ろに回り込み竹刀を振り下ろした。
パァァァァァン!
絵美「…………出来た…」
芹沢「………ふんっ。出来るではないか。今日はここまでにする。休め」
絵美「はい!ありがとうございました!!」


