朝餉の時間
原田「絵美!こっち来いよ!」
絵美「え、でもそこは…」
原田「良いんだって!ほら、俺の隣来いよ!」
私は少し隊士の人達に視線を送ると誰も気にしていなかった。
絵美「じゃあ…」
私は左之と藤堂さんの間に座った。
藤堂「よっしゃーー!俺絵美の隣!!」
永倉「絵美、俺と総司の間に来いよ!」
沖田「そうですよ!そんなところにいたら馬鹿が移りますよ!」
藤堂「何だってー!?総司の隣になんて座ったら腹黒が移るだろー!?」
沖田「平助、一体僕のどこが腹黒なんですか?」
絵美はもう苦笑いする他なかった。
原田「良いんだよな、絵美はここで!」
絵美「…うん」
私はもう別にどこでも良かった。
原田「そうだ、今日は俺非番だから甘味処にでも行くか!」
絵美「え、良いの?だって左之の折角の非番なのに…」
原田「たまには、な」
絵美「やったー!じゃあ行こう!」
ん?
なんかものっそい視線を感じる。
恐る恐るみんなの方に視線を向けてみた。
幹部「(゚Д゚)」
絵美「……え"、なんですかみんなして…」
藤堂「だってお前…左之……って……」
総司「敬語も外れてました…」
原田「何だ、皆妬んでるのか?」
ニタニタと気持ち悪い笑を浮かべる原田は無視する事にした。
藤堂「なぁ、俺も平助って呼んでよ!敬語もなし!」
沖田「僕もお願いします!」
永倉「俺も〜!」
斎藤「………俺も頼む」
絵美「私は良いですけど……本当に良いんですか?」
幹部「もちろん!!」
絵美「じゃあ…分かった!」
近藤「じゃあ俺も…」
全員「それはダメだろ!!!」
一斉に突っ込まれ落ち込む近藤。
山崎「なら、わいもお願いしようかいな」
絵美「山崎さんも?」
山崎「何や?わいはダメか? 」
絵美「良い…けど……」
山崎「ほな、よろしゅうな!」
絵美「うん!」
そんな他愛ない話をしていると土方が声をかけた。
土方「絵美、お前目の下どうした」
山南「私も気になっていました。眠れれていないのですが?」
みんなの視線が私に注がれ居心地が悪い。
何とか誤魔化したいけど副長や幹部の皆ならきっと無理にでも聞き出すんだろうな。
また大事になりそうだ。
仕方ない。
絵美「実は…夜中……誰かに見張られているみたいで……中々寝付けていないんです」
土方「やっぱり、もう前川邸に戻って来た方が良いんじゃねえか?」
絵美「大丈夫ですよ。犯人は分かってます。これからジワジワと奴を苦境に追い詰めてやりますよ」
全員「……………………」
絵美を怒らせてはいけないのかもしれないと薄々感じ始めた幹部たちだった。


