バチンッ



土方「馬鹿野郎!!!忘れてたじゃ済まされねえ事だろうが!!!!!」




絵美「……痛いっ…、分かってます。本当にごめんなさい」




土方「お前が忘れたせいで、俺たちは八月十八日の政変に出遅れたんだ!」




絵美「………………」




土方「それだけじゃねえ。会津公からの呼び出しまで来てんだ。近藤さんが今日謝罪しに向かう筈だ」




絵美「………っ!それ!!!私も同行させてください!!!」



土方「あ?何でだ?」



絵美「今日……、きっと会津公から芹沢一派を粛清するよう言われる筈!だから近藤さんと同行させてください!お願いします!!」




土方「……………駄目だ」




絵美「………………ぇ…?」





何で?




このままだと芹沢さん達が死んじゃうんだよ?




仲間でしょう?




何で……ダメなんて言うの?




土方「俺は、近藤さんを大将にするんだ。芹沢さんがいたらそれは叶わない」




絵美「…何…それ……。信じられないっっ!!芹沢さんは仲間でしょう!!!芹沢さんを募っている人達はどうするんですか!!!」




土方「そいつらには悪いが、刃向かうものは容赦なく斬り捨てるまでだ」



絵美「じゃあ私のことも斬り捨てられるの?永倉さんだってきっと反対しますよ?」




土方「…………お前等は…芹沢暗殺に参加させる予定はない。会津公からの達しが来なかったとしても…そろそろ潮時だろうしな」




絵美「……もう良いです!!土方さんには何も話さないし聞きません!近藤さんに全部相談します!!!」




スパンッ




私は襖を思いっきり閉めると近藤の部屋へ全速力で向かった。




土方「ごめんな。まだ若えのに…女子なのに…辛い思いさせちまって……」




土方がこんな事を呟いていたなんて当然、絵美は知らない。