絵美「言ったでしょ。お前は私が殺す」
伊東「…っく…、この小娘が!!!!」
ガキンッ ガキンッ ガキンッ
さっきまでの数倍重い剣をなんとか受け止めていたが刀傷と疲労で思うように動かなくなってきた。
ーーーー グサッ…。
絵美「うあ"ぁぁぁぁぁあ!!」
カランッ
右腕を深く斬られ、刀を落とした。
伊東「これで武士だった胡桃沢 絵美は死にましたね」
伊東はニタニタと気色悪い笑みを浮かべながら刀についた血を払った。
伊東「もう少し遊んで差し上げたいところですがあまり時間もない。これでおしまいにしましょう」
突きの構えを取り、私めがけて走り出す。
ダメだ、動けない。
ごめんね、左之。
1人覚悟を決めていると突然視界が暗くなった。
絵美「っ!!ダメっ…!!!」
ーーーーーーーグサッ…。
伊東の刀は私の視界を覆った諸共貫いた。
伊東「ちっ。最後まで邪魔ばかりするのですね原田さん」
伊東は容赦無く刀を引っこ抜き舌打ちをした。
原田「え…み………、ぶじ…か…?」
苦しげに声を絞り出す原田に枯れ切ったと思い込んでいた涙がまた溢れ出す。
絵美「なん…で…、無茶ばかり…するの……」
原田の頭をそっと抱きしめる。
伊東「全く…これだから頭の弱い人達は。自分たちの置かれている状況すら理解できないようですね。2人とも今度こそ、死んでもらいます」
伊東が刀を私に振り下ろす寸前で私は原田にもらった割れた櫛を伊東の目に突き刺した。
伊東「ぎゃぁぁあぁぁぁあぁぁぁぁあ!!!!!!!」
そして落ちた刀を両手で持ち上げると伊東の心臓めがけて振り上げた。
絵美「…死ね」
グサッ…。
絵美「はぁ…はぁ…はぁ……」
血を流しすぎたせいか目がチカチカしてきた。
重たい体を引きずりなんとか原田の元へいった。
絵美「左之…終わったよ……」
ホッとしたからか涙が次から次へと流れてきた。
原田「守れなくて…悪かった……。こんなに…傷を…負わせて……」
申し訳なさそうに眉尻を下げながら私の涙を拭う原田。
絵美「ううん、左之はずっと守ってくれてた。左之がいなかったら私はきっととっくに死んでいた。でも左之と夫婦になるって約束したから、今もちゃんとここにいる」
原田「そう、か。良かった…」