芹沢「ハッハッハッ!流石のお前も梅には着いて行けなかったと言う事か!」




絵美「えぇ、まあ……」




梅「おなごの子とのお買いもんはやっぱり楽しかったわ。またいきまひょね! 」




絵美「…あ、あは…。もちろん…」




出来ればもう暫く行きたくない。




芹沢「胡桃沢、五日後に大阪へ向かう。お前も着いて来い」



絵美「…………分かりました」



これがきっと……大阪力士乱闘事件。




力士との乱闘は避けたい。




でも…、私なんかが歴史を変えてしまっても良いの?



私の身勝手な情のせいでこの先死ぬはずのない者が死んでしまったら…?




スパンッ



一人、そんな事を考えていると襖が開いた。



絵美「土方さん?」




土方「芹沢さん、悪い。少しコイツを借ります」



絵美「ちょ、え?」




出来れば今は連れて行かれたくない。




芹沢さんに助けを求めようと視線を向けた。




芹沢「行って来い」









……………………ノォーーーーーー!!!!









芹沢さん!!何で!!!!!



土方「行くぞ」



絵美「どわっ!土方さん、腕がもげそうです!」



しかし彼、土方は全く聞く耳を持たず更に強い力で前川邸へと連れ去った。



そして近藤さんの部屋の前まで行くと突然襖が開き、中から伸びてきた無数のゴッツイ腕に引きずり込まれた。



絵美「ぎゃあ!!!」



幹部「絵美(さん)!!!!!!」



絵美「な、何ですか?」




沖田「お久しぶりです絵美さん!」




永倉「絵美ーーー!寂しかったぞ!!!」




原田「俺、絵美がいないせいでここ一週間眠れてねえんだ」




藤堂「絵美ーーー!会いたかった!!!」




絵美「はあ…。ありがとうございます。でも私、芹沢さんに拐われてからまだ1日しか経ってませんよ?」




幹部「え…?」




斎藤「たったの1日でもお前がいないとコイツ等は耐えられないということだ」




山崎「斎藤はん、自分は寂しくなかったような言い方してまんねんけど、貴方も今日1ずっと溜息どあほりやなかったやろか!」



斎藤「…余計なことをあまり言うな」




そう言った斎藤さんの顔は僅かに紅く染まっていた。




絵美「ふふふ、ありがとうございます」





近藤「ゴホンッ。それでだ胡桃沢君。君を呼んだのには理由がある。実わだn…」




絵美「大坂に…現れたんですよね?」




土方「お前、何でそれを知ってんだ?」




絵美「さっき芹沢さんが五日後に大阪へ向かうから着いて来いって言われて…」




沖田「絵美さんも来るんですか!?」




絵美「はい。私、芹沢さんの小姓ですし」




土方「嫌、お前は連れて行かない」




絵美「え…?」




土方「お前には関係のないことだ。屯所で大人しく待ってろ」




絵美「……………でも、これは芹沢さんが決めることですよ?」




土方「芹沢さんがなんと言おうと、お前は連れて行かねえ」





絵美「……………わかり…ました…」





そうだよね。



私は何も関係ないんだもんね。




私が行っても……邪魔なだけだもんね。




土方さんが怒るのも仕方ないか。




絵美「失礼します」