ーーーーーーーーーーーーーーーー




あの日から数週間、いつも通りの毎日を過ごしていた。



そんな時、ある2人の客人が情報を持って屯所を訪れていた。




近藤の部屋にて私と近藤、土方、山南の前に座る2人。




絵美「私と近藤さん暗殺はやっぱり本当だったのね〜」





藤堂「絵美…もう少し危機感持とうよ」



斎藤「命を狙われているんだぞ」





そう、客人とは御陵衛士に間者として乗り込んでいた斎藤と藤堂だった。




絵美「なぜ?勝ち戦なのに…フフフ」



土方「何企んでやがる」



絵美「土方さん、山南さんと同じ事」




ほう?と片眉を釣り上げる土方と微笑みを浮かべる山南。




絵美「伊東甲子太郎暗殺劇の幕開けよーっ!」




袖を捲り上げ力こぶを見せながら笑う絵美に背筋が凍る程の恐怖を覚えた近藤等。




空気を変えるべく近藤が動き出した。




近藤「そ、そういう事なら他の幹部も必要だな」



土方「あぁ、山崎!」




シュタッ!!!!



土方「緊急幹部会だ。大至急幹部を集めろ」




山崎「御意」




……………………………………





永倉「そういう事だったのか」



2人が間者として行っていた事、伊東が近藤と絵美の暗殺を企んでいることすべてを話した。




沖田「へぇ、近藤さんと絵美の暗殺だなんて余程肝が座ってるんですね、伊東さんは」




総司から何か出てる…。



黒い何かが…。




絵美「そこで、よ。先手必勝ってことで伊東甲子太郎を暗殺しま〜〜〜す!!」




原田「お前…楽しそうだな」




土方「近藤さんの妾宅へ資金を提供すると招き泥酔させ暗殺する」




藤堂「近藤さんと絵美の暗殺計画以外にも…まだ報告があるんだ」




言いにくそうにそう答えた藤堂。




斎藤「前に絵美が島原へ潜入捜査は聞いていた時に俺に調べるように言っていたことは覚えているか?」





絵美「えぇ、もちろん」





斎藤「伊東さんは今や5000を越える部下がいる。そいつらは尊王攘夷志士だけでなく幕府の出もいる。いわゆる小攘夷の集いだ」





小攘夷とは極端に日本の長所を美化し、外国を卑下する考え方。




逆に大攘夷とは外国の良いところを取り入れ富んだ国を作ろうとする考え方。




その小攘夷は長州を始めとする尊王攘夷志士もいれば幕府から出る者もいる。




と言うことは新撰組の隊士達の中からも伊東と手を組んでいるものがいてもおかしくはない。




絵美「5000…幕府と薩長を味方につけてる私達の方が人数は圧倒的に多いはず。でも…伊東甲子太郎暗殺劇は無謀なのかもしれないわね。これは戦になるわ」



土方「なぜ暗殺が無理だだと決めつける?伊東1人を誘き寄せれば良いんだろ?」




絵美「伊東の遺体を見た御陵衛士を始めとする奴の部下達が戦を起こすわよ?」




山南「こちらには上様がいらっしゃる。事前に伝えておけば戦になったとしてもきっと問題はないはずだ」



近藤「それに絵美の首が狙われていると知れば慶喜公がそれこそ先手必勝だと言わんばかりに攻め込むだろう」