永倉「嘘…、だよな?冗談にしちゃちょっときついぜ」




絵美「……ごめんなさい。本当に分からないんです。私は何か忘れているんですかね」





斎藤「……記憶がない…ということか……」






"記憶がない"





頭では理解ができてもあまりにも辛く苦しい現実に心が追いついてこない幹部達。






山南「頭に強い衝撃を与えたら記憶は戻らないですかね」





沖田「ちょ、何言ってるんですか山南さん!!土方さんみたいなこと言わないでくださいよ!」





ガコンッ





土方「お前はいつも一言よけいなんだよ!!」





ズキンッ





絵美「うっ…痛いっっ!!頭が…っ…!」




原田「絵美!大丈夫だ…大丈夫……」




突然呻き出した絵美をいち早く支えた原田。




絵美「私…今の光景が……、なんだろう…凄く、懐かしい」




斎藤「…焦らなくて良い。ゆっくり思い出せ」




斎藤は絵美の目線に合わせてしゃがむと頭を優しく撫でた。




絵美「…ありがとう…ございます…」





その日は絵美の体調を考慮してみんなは早々に部屋を去って行った。





……………………………………





自室にて、1人中々進まない書類の前で煙管を吸う土方がいた。




土方「…ふっ。記憶が代償ったあ中々卑劣だな……」




まっ、命よりかはましだがな。




何としてでもあいつの記憶を取り戻してやる。





絵美、もう少し待っててくれ。




俺達も気張るからてめえも気張れ。







なんたってここから新たな歴史が始まんだ。




お前がいなきゃ何も進まねえぞ。




俺たちの中の時間も、お前の時間も進まねえ。





早く、早く動かしてくれ。