永倉「俺…、さっき庭を通りかかった時に隊士達の怒鳴り声と竹刀で何かを殴るような音が聞こえたんだ。急いで見に行ったんだけどそこにいたのは絵美1人だけで横になって倒れていた。何があったのか聞き出そうとしたんだが、アイツ呻き声出しながら走って逃げちまったんだ」




土方「これで分かったな」





山崎「やけど、決定的な証拠やないし…隊士達ったって沢山おるさかい…」





土方「絵美を暫く1人にするな。永倉、知らせてくれて助かった」




永倉「おう。おんまり役に立てているか分かんねえけど…」




土方「山崎、幹部を集合させろ。永倉はそのまま残れ」




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土方「───ということだ。だからこれからは皆出来るだけ絵美を1人にするな」




藤堂「………絵美いつも俺たちが風呂から帰って来た時、布団にくるまって声を押し殺して泣いてたんだ。気づかれたくなかったみたいだったから俺らも声をかけなかったんだけど…この間、俺だけ1人早く風呂から出て部屋へ戻ったら竹刀を持った男達が5、6人部屋から出て来たんだ」




原田「何だそれ!俺聞いてねえぞ!」




沖田「僕も知りませんでした」




藤堂「絵美、泣いてたんだ。それで、隊士達がなんで来ていたのか聞いたら泣きながら何も聞かないで、誰にも言わないでって言って来たんだ」




斎藤「それでお前は誰にも言わなかったのか?」





藤堂「………あぁ」





土方「そう言うことは口止めされてても言わなきゃダメだろうが!!!!」





藤堂「だけど…もし誰かに言ったら、アイツ死んじゃう気がして。だって、皆絵美が未来から来た理由覚えてるだろ…?」





全員「………………」




そう言うとみんな口を噤んでしまった。




近藤「だがしかし…隊士達は我々が胡桃沢君を贔屓しているからあのようなことをするんじゃないか…」





土方「だからって放っておくわけにはいかねえだろうが!」





山南「いえ、ここは近藤さんの言うとおりです。隊士達と同じように必要最低限関わることは控えるべきでしょう」





永倉「そうすれば…絵美はあんな思いしねえんだよな?」





斎藤「……今そうしなければ絵美はもっと酷い目にあうだろうな」





沖田「…………分かりました」




原田「なんか、女1人守れねえなんて情けねえな」




土方「仕方ねえ。今日から必要最低限、絵美に近づくな」




幹部「…御意」