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煌びやかな着物に包まれ、美しい黄金色の髪も上品に結い上げられた絵美。





こんなにも重くてキラキラした着物なんて着たくない。




慶喜がそれを持ってきた瞬間、私は猛反対をしたのだが今日1日だけという約束で渋々了承した。





にしても…





















絵美「重すぎる…」




春「そう文句言わないで」




朗らかに笑う彼女を覚えているだろうか。




絵美「大体私は仕事をしに来たの。こんな裕福な生活をしたくて来たわけじゃない」




雪「絵美っで変わってるよね」




絵美「雪、慶喜のところに案内して」




華麗に雪の言葉もスルーして仕事をしようとする。




そして雪に案内され慶喜の部屋に着くと勢い良く襖を開けた。




スパンッ




絵美「失礼します」




慶喜「おぉ、絵美…似合うな」




絵美「そんなことよりもお話があります。聞いてください」







絵美は来年から起こる出来事をすべて事細かく説明した。



薩長同盟 将軍 徳川家茂公の病死 大政奉還 鳥羽伏見の戦い 戊辰戦争 新撰組壊滅 廃刀令 断髪令



全てを話した。





慶喜「うむ…その僅かな年でこうも変わってしまうのか……」




絵美「平和でいられるのも今年まで。今すぐ対策を取るべきよ」




慶喜「しかし一体…何をどうしたら…どこから始めていいのやら……」






確かに…。



でも、私だって何も考えずにここまで来たわけじゃない。




絵美「まず、個人的に私は新撰組の壊滅を何よりも避けたいの。だから私を薩摩に行かせて」




慶喜「…………………いや、説明もなしにいきなり薩摩とはどういう事だ」




慶喜がそう聞くと絵美はニヤリと不敵に笑った。




絵美「軍事法を学ぶのよ。新撰組に属している私が薩摩に行き、友好的な関係を築けば薩長同盟の際に新撰組も尊皇攘夷に移れるってこと!!!!」




慶喜「話にならんっっっっ!!!俺の前で尊皇攘夷になる為の計画など立てやがって!!!」




絵美「ちょ、最後までちゃんと聞いて!!」





ムスッとする慶喜を宥めて話を再開させる絵美。




絵美「いい?何も貴方の了承無しで尊皇攘夷になる訳じゃないから。というか、貴方はもともと尊皇攘夷の思想があるでしょう?」