幕末に来てから1週間が経った今、いじめはヒートアップする一方だった。




隊士「浪士組に女はいらねえ。邪魔だ。出て行け!!」




隊士「醜いな。ハッハッハ!」




絵美「…っく…」





隊士「永倉さんだ!お前ら逃げるぞ!!!」



永倉の足音を聞くと一目散に逃げて行った隊士達。



絵美「……ふっ。いじめが嫌で自殺したのに、またいじめ。笑っちゃうよ…」




うつ伏せの状態から上半身だけ起こすと自嘲気味に笑った。





永倉「!?絵美どうした!!」





絵美「だい…じょうぶです。気にしないでください…」




永倉「気にするなって……。どこか痛むのか?」




やめて…。




構わないで。



隊士達が見ているから。




痛む体に鞭を打ちながら無理やり立ち、顔に笑顔を貼り付けた。




絵美「私は大丈夫です!永倉さんはこれから稽古ですよね?頑張ってください!では!」




永倉「あ、おい!」





皆お願いだから私のことは放っておいて。




お願い…。





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絵美「いったあい!」




山崎「大人しくしい!!!」




絵美「だって…山崎さんの手当てが荒っぽいからしょうがないじゃない!」




山崎「うっさい。手当てしてやっとるんやから文句言わん!」




絵美「私、手当てしてって頼んでませんよね?」




山崎「そんなことより、この傷どうしたんや?」





絵美「……転びました」




山崎「は?」




絵美「えーっと…階段から!!」




山崎「お前なあ、嘘は辞めぇ言ったばかりやろ!!」




絵美「痛い!!ちょっと、私怪我人ですよ!!!」




痣になったところバシバシ叩く山崎に殺意がわく。



山崎「これは打撲傷や。殴られたり蹴られたりせんと出来ん傷や」




絵美「………そう言えば私、土方さんに呼ばれt…」




山崎「呼ばれとらん」





絵美「…………………あ!あんなところに蜚蠊が!!!!」




山崎「何!?って、おらんやないk……あいつ逃げやがったか!!!……しゃあない。副長に相談するか」





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山崎「副長、入ってもええでっか?」




土方「おう、入れ」




スパンッ




土方「珍しいじゃねえか。お前が自ら俺の部屋に来るなんて」




山崎「実は胡桃沢の事で話が…」




土方「何?」




山崎が絵美の話を持ち出すと土方の目の色が変わった。




山崎「さっき胡桃沢が縁側に倒れていて、はだけた着物から痣が見えたんや。そんで医務室に胡桃沢を運んだのやけど中々手当てさせてくれなかったさかい無理矢理着物を脱がせたら全身に竹刀やらなんやらで殴られた痕があったんや。副長なんか知らんでっか?」




土方「嫌、俺は何も……あ!そう言えばアイツ飯のたんびに味噌汁やら魚やらをかぶってたな…」




スパンッ





山崎「永倉はん?」