絵美「山南さんは何て?」




土方「あぁ…。何でも仏様のいる場所で殺生は良くない、だとよ」




やっぱりね。




それなら。




絵美「今回の件、私に一任して下さい。西本願寺よりもいい場所を安い価格で探してきます」




土方「何バカなことを。お前はまだここの土地や金のことなんざ分からねえだろう」




見下すような視線で見てくる土方に対し挑発的な笑顔を見せた。




絵美「1日だけ下さい。そしてその際には山南さんを連れて行きます」




土方は少し髭が生えてきた顎を摩りながら考える素振りを見せると1日だけなら、と許可をくれた。




私はお礼だけ言い襖を閉じる直前に




絵美「その髭、汚ならしく見えるので早く手入れをした方が良いですよ」




それだけ言って出て行った。











その後日、土方は綺麗に髭を剃っていたとか。



鬼の副長と恐れられた土方も惚れた女の忠告はしっかりと聞くようだった。