会いたくない人には頻繁に会うように世の中は形成されているようで…。




伊東「あなた、一体何が目的なの?」




絵美「どういう意味でしょうか?」




少々喧嘩腰で質問を質問で返してやった。





伊東「私、江戸にいる間にある噂を小耳に挟んだの。未来から来た黄金色の髪をした美しい少女が新撰組に捕らえられているとね」





思わず耳を疑った。




未来から来たことを知っているのは新撰組幹部と慶喜、松平容保、坂本龍馬、長州の一部だけだからだ。





何故、私の情報がそこまで…?




誰かが漏らしたか?



いや、信用出来る者にしか伝えてないはずだ。



取り敢えずここははぐらかしておくしかない。




絵美「一体何をおっしゃっているのですか?未来だなんてそんな奇怪な事を誰が信じるというのです。まさか伊東参謀がそのような戯言を信じるとは…」





伊東「……そうよね。変なことを聞いて悪かったわ」





まだ疑われている。



今の間がそう語っている。




伊東「話を戻すわ。何故あなたのような女子が親元を離れ剣を持ち、ここに暮らしているの?何か目的があってじゃなくて?」




目的…ねぇ…。




絵美「親はいません。そんな私を近藤さんと土方さんは拾ってくれました。だから私は彼等の為ならこの命をも差し出します」





そう言うと伊藤は口角を上げた。




伊東「なる程ね。そう言うの、嫌いじゃないわよ」





思わず身震いした。





伊東も行ったことだし、取り敢えず土方に伝えに行くか…。