……………………………





絵美「平助、あんたはどうしたい?」




絵美から伊東の運命を聞いてから藤堂はどちらに着くかきっと悩んでいるはずだ。




藤堂が本気で伊東を尊敬していて着いていきたいと言うなら私は止めない。




でも、もしも伊東を新撰組に勧誘したことに責任を感じていて着いて行くと言うのならば私は反対する。




それは藤堂の志を曲げているも同然だからだ。



京の人や尊王攘夷の人たちは新撰組を武士と認めていない者が遥かに多いだろう。




でも私は彼等を武士だと思っている。




今までに聞いた武士たちのなかで一番強い武士。




そんな彼等に志を曲げるようなことはしてもらいたくない。




そしてたくさん煽られ、罵られてきた彼等には勝利を掴んでもらいたい。





もっと望みを言えば試衛館から募ってきた人達全員に。





誰一人欠けることなくして勝利をおさめたい。




その為に私はこれから奔走するんだ。




藤堂「俺は…伊東さんに着いて行くよ」




藤堂から出た言葉は予想通り。




だがやはり悲しいものだ。



絵美「どうしてそう決めたの?」




藤堂「俺が、伊東さんを勧誘しただろ?そんな俺が着いて行かないってのは少し気が引けてな」




ほらね。



これは藤堂の意志ではない。





絵美「平助は新撰組のみんなと戦い続けるのと伊東参謀に着いて新しい仲間と戦うの、どっちが良いの?本当は」




藤堂「本当は新撰組のみんなと戦って行きたいに決まってる。ずっと苦楽を共にして来た仲間だからな」




そう言って藤堂は悲痛そうに笑った。




絵美「平助、あんたは武士らしくないね。それは己の志を曲げてるって分からないの?最後まで志を貫くのが新撰組じゃないの?それが出来ないようならもう平助は新撰組に必要ない。勝手にしな」