まずい。



こんな大事な時に私は!!!



まだ長州に新撰組の素晴らしさを教え込んでないのに。



でも今は山南さん優先だわ。



私は桂さんの方へ体を向けると勢い良く頭を下げた。




絵美「お願いします!新撰組へ戻らせてください!!!!」




桂「なっ…!何を言ってるんだ!!今目覚めたばかりの君を新撰組なんかの下へ帰すわけないだろう!!!」




絵美「お願いします!!!大切な仲間が死と隣り合わせなんです!!彼は死ぬべきではなかった。長州と幕府が手を組んだ時、彼の頭脳はあなた達へのかなりの戦力となるはずです!!お願いします!必ずここへ自らの足で戻って来ると約束するので一度帰らせてください!!」




どのくらい沈黙が続いたか分からない。




でも今は一分一秒も無駄に出来ない私は焦りと恐怖から冷や汗が止まらなかった。





そして次に私に降ってきた言葉は




























桂「仕方ない」




絵美「っっっ!ありがとうございます!!」




坂本「桂殿!!!」




ものすごい剣幕で桂に詰め寄る坂本。




桂「良いんだ。絵美を苦しめたくない」





桂がそう言うとみんな黙り込んでしまった。




絵美「私は新撰組に戻るけど、あなた達を手に入れる計画は諦めてないから」





吉田「ったく。絵美様は一度言ったら誰の話も聞かないからな。何だか本当にお前達と仲間になる日が来るような気がしてくるよ」




高杉「奇遇だな、稔麿。俺もだ」




みんなで笑い合うと坂本が自身の両膝をパンッと叩き立ち上がった。




坂本「なら儂はそれまでに薩長を仲良しこよしにせねばならんのう」




そう言ってニヤリと笑った。




絵美「もちろんです。頼みますよ、坂本さん」