絵美「それから…、後二つ。決定的証拠があります」




山南「聞かせてください」





あれだけ斬ってもらいたかったのに、何故私はここまで未来から来たことを認めてもらおうと必死なのか…この時はまだ分からなかった。





絵美「これは携帯と言って同じ物を持っていれば異国の人とでも話すことができます。他にも文通が出来ますね」





近藤「素晴らしい!歳、これがあればツネやタマとここから話ができるんだぞ!!」





土方「で、もう一つの証拠とは?」





近藤の声を聞こえないものとする壬生浪士組の副長、土方歳三恐るべし。





絵美「私はこの組の行く末を事細かに把握しています。ちょっとした予言をしましょう。近いうちに大阪で壬生浪士組の名を語り悪事を働く浪士が現れます」





土方「なんだと!!!」






山南「それは…いつ起こるかはご存知ないのですか?」





絵美「多分…それを教えてしまったら歴史が変わってしまいます…」





山南「そうですか…」




まだ私には歴史を変える勇気がない。




だから簡単に史実を彼等に話すことができなかった。




土方「だが…それはデマかもしれねえ。もっと決定的なのはないのか?」




絵美「あー、あると言えばありますけど…言っていいんですか?」




思い出すだけで腹の底から笑いがこみ上げてくる。





土方「あぁ」





絵美「絶対に怒らないでくださいよ」




土方「怒らねえよ」




絵美「……梅の花 一輪咲いても 梅は梅」




バチンッ




絵美「怒らないって言ったじゃないですか!!!!!」




土方「あれは誰だって怒るだろう!!!」




絵美「いや、知りませんし!!」




沖田「ぷっ…くくくくくく…あははははは!絵美さん面白すぎます!!あははは!」




土方「ったく!仕方ねえ。信じる」




絵美「ありがとうございます!」




絵美は今日一番の笑顔を見せた。




幹部「/////////////」





近藤「ゴホンッ。ところで胡桃沢君、帰る場所はあるのかい?」




絵美「…………………」







すっかり忘れてた。




私、未来から来たから帰る場所なんてないんだ。




近藤「その様子だとないようだね」




絵美「…はい」




近藤「なら!ここに住むと良い!」




土方「本気で言ってるのか!?」




原田「っしゃーーーー!このむさ苦しい男所帯に華がきたーーーー!」




近藤「年頃の娘を治安の悪い京に放り出すことは出来ないだろう」





土方「……………」




近藤「これは決定的事項だ!良いだろう?胡桃沢君」




絵美「えーっと…」





近藤「良いだろう?」





絵美「………はい」




近藤さんって結構強引なんだね。