こうして町に出て来た私達。




買うものは


・お魚
・たまご
・たくあん
・かぶ
・豆腐




沖田「あ、絵美さん!みたらしと餅米がここにありますよ!」



お前はみたらし団子の材料を買いに来たのか?




私は聞きたくないことは基本耳に入ってこないから沖田の話は全く聞いてない。




えーっと後はお豆腐だけかな。



絵美「おじさーん、お豆腐下さ〜い!」



豆腐屋「おう絵美ちゃん!今日も元気だね!少しおまけしてやる!」




絵美「ありがとう!」




絵美の持ち前の明るさと笑顔でいつも買い出しの際、豆腐屋のおじさんだけでなく魚屋、八百屋までみんな安く売ってくれたり量を多めにくれたりするのだ。



その点、新選組は絵美に大助かりだ。




沖田「これちょっと多過ぎません?」



私はお豆腐しか持っていない。



絵美「しょうがないな〜。半分貸して?持ってあげるから」




荷物を取ろうとするとムスッとしながら逃げる沖田。



一体なんなんだ。




沖田「女子に荷物は持たせられません」




じゃあ黙って運べ。




なんて言わない。



思ってても言わない。




絵美「あっそ。じゃあ黙って運べ」





我慢できなかった。




沖田「それ酷くないですか!?」




あーあー聞こえない、聞こえない。




絵美「ほら行くよ」




後ろで何か騒いでるけど私には聞こえない。




ジャリッ



私達は互いに目を合わせると頷いた。




沖田「そこにいるのは分かっている!!今すぐ出て来い!!!!」




沖田がそう言うと浪士達がゾロゾロと出て来た。



沖田「何者だ!!」




浪士「胡桃沢絵美、お前を拐いに来た」



狙いは……私?




沖田「っっっっ!絵美、今すぐ逃げてください!!!」



逃げる?


そしたら総司が……。




いくら強い沖田でも20人あまりの奴らは倒せないはず。




絵美「一緒に、戦おう。私が10人斬るから総司は10人斬って」




沖田「いくら強い絵美でも無理です。今は着物ですし刀も持っていないでしょう!」




絵美「苦無がある」




私はそう言うと胸元から苦無を両手で取り出した。



沖田「はぁ。何言っても聞かなそうですね。私の背中は絵美に任せます」




絵美「任せて!私の背中はお願いね!」




沖田「はい」




私達は背中を合わせると同時に走り出した。