不器用な彼と


亜紀Side

胸がドキドキする。


どうか3位程度でありますように、そう願いながら学校までの道を歩く。


クラスに入り、掲示板を見上げると。


…2位 齋藤亜紀 290点

と記されていた。うわ、2位か…まぁ、1位じゃなくてよかった。


…1位は300点で、満点!…バカなの?この人。委員長になっちゃうじゃん。


誰なんだろ、視線を赤文字で書かれた氏名へ移す。



『1位 佐藤勇気 300点』



…佐藤、勇気…。


一緒に委員できるんだな、なんて思ったのは一瞬で。


あいつ、不登校じゃん…(若しくは、ほけとー)。


実質…


私が、委員長………。


ぼーっとした1日を過ごした末、今日も佐藤勇気へのプリント業務が回ってきた。


佐藤勇気ママは毎度毎度律儀に私を上の階にあげてくれる。