不器用な彼と

勇気Side


「全部終わった~?解答用紙ちょーだい。じゃあちょっと休んでから帰りな」


2時間後には3科あるテストも終わって、俺はベッドに寝転んだ。玉ちゃんがカーテンを引いて、1人の空間になる。


ほどなくしてドアが開いて、玉ちゃんかな?と思ってカーテンを開ける。


すぐに複数人の人の声がして、あ、違うと思った。女子の声だ。


『勝利くん保健室にいるらしいよ!』
『えー、でもカバンもないし』
『このベッドじゃ…って、きゃっ』

玉ちゃんの声が聞こえる。

「何やってんの。病人いるところでうるさくしないで」

女子生徒はたぶん退散した。


「玉ちゃんありがと。俺帰る」


「うん。…お前、保健室登校でもいいから学校来れば?」


「…うーん。あー、そういえば玉ちゃんってお医者さんなんでしょ?」


「うん。精神科専攻」


「これ人に初めて言うけど…女子が怖い病気って、あるの?」


「えっ、けっこう一般常識的な知識よ?女性恐怖症って、まぁあるけどね」


女性恐怖症。

病名がわかれば、なんとなく、気持ちは軽くなった。