不器用な彼と

亜紀Side

今日はちょっと暑い…目が覚めると微妙にまだ早かった。


カーテンをちらっと開けて向かいの窓を見たけど、やっぱり閉まりっぱ。


佐藤勇気はまたどうせ学校に来ないのだろう。


少しはプリント届ける身にもなれよ、っていうか隣の家だから偉そうに言えもしないんだけど。


そうだ、今日テストだー…。


ほどほどに、5番程度が取れればいいや。


クラス5番なら、貼り出される順位のそこそこ目立つところにいられるし、


委員長系のお仕事(下手に2番くらいを取ると副委員長)からも逃れられるし。


高望みは、しませーん。それが齋藤亜紀の人生のスタンス。


家を出ると、佐藤さん(佐藤勇気母)の声が聞こえた。


勇気母「本当に大丈夫?」


「大丈夫」


…佐藤、勇気!!!???


学校来るの????


なに、不登校って噂あったよね。

その前は王子様って噂あったよね。

…今度は立ち直ったかんじなの?