「で、その反応。絢香ちゃんも綾瀬くんのこと好きだったりする?」


みゆが特に憎悪を含んでいるわけでもない、単なる問いを持った目で私を見た。


「奇遇だけど。」


「だと思った。」


みゆは少し落ち込んだような声で言った。



「最近よく綾瀬くんと話してるし、テスト勉強も一緒にしてるし、何より乙女になったもんね」


「乙女にって…って、あれ?

なんでテスト勉強してたこと知ってるの?」



私がさらっと言い放ったみゆの言葉に疑問を投げかけると、

「だってずっと見てるもん、好きだし。」



と、いとも普通のことのように言った。



「ストーカー?」



「やめてよ、好きな人と話せるチャンス見計らってるのに毎日用事あるって言われれば、そりゃあ何なのか気になるでしょ」



みゆが正論を言う。




「じゃあ、私たちライバルだ。どうしよう、やだ、頑張るけど。」


と楽しそうにリュックを背負った。