____ それは、ある日の昼休みのこと。 「ねぇねぇ、ゆうちゃんって賢いの?」 「…」 隣の席の噂の子、俗に言うあやちゃんが俺にそう聞いてくる。 「…」 俺は、ただ首を横に振った。 「ふっ。」 はぁぁ!?なんで笑うねん! 自分で聞いといてなんで笑うねん!! おかしいやろ!! 「何が苦手なの?数学? 入学式の日、参考書読んでたし。」 よくわからない理由がつけられているのはさておき、数学が苦手なのは確かだ。