なに!
文化祭一緒に回るなんて、そんないい発想があったのか…!
私は先を越された思いで悔いる。
一方のゆうちゃんは、
「え、嫌」
と今度はすっぱりと断る。
「えー、なんで?まさか誰かと約束してるとか?!」
「してないけど」
「じゃあいいじゃん、いろんなクラスの出し物見に行こうよ」
「嫌」
「えー、なんでなんで」
女子たちが、口々にいってはゆうちゃんを説得しようとする。
「お前らなー、わかってねえな!」
と、女子をとられて悔しいのか知らないが、浜田が割って入った。
「綾瀬はな、俺などといった一般男子と違って、
歩くたびにきゃーきゃー言われんの!
他校からも山ほど人が来る文化祭なんて、少しでも動かずにじっとしとかないと、
お前らの大好きな綾瀬はボロボロになっちゃうわけ。
分かりましたか!」
浜田が、ほらチャイムなったぞ、バイバイ大好きだぜ、あ、ちなみに俺なら大歓迎だぞ〜と言いながら、みんなを教室から追い出す。
みんなも、ぶーぶーいいながら大人しく自分たちの教室に帰っていった。

