…なんて、余裕ぶってたのはその時だけだったことに、後々気づくんだけど…。
「はよーー」
チャイムギリギリになって、浜田が教室に入ってくる。
同じ寝癖頭でも、どうしてこう違うのか。
「あー、浜田くんじゃんっ」
「ん、おー、とうこちゃん、はづきちゃんも」
浜田がニコニコしながら、「なんか教室で会うと新鮮だねー」と女子たちと盛り上がってる。
なんだこいつ、全員友達かチャラいな。
私はそんな浜田らから、となりのゆうちゃんに目を移す。
チャイムがなり、女子が再びゆうちゃんの机を囲んだ。
「綾瀬くん、ばいばい、またね!」
「今日もかっこいい、生まれてきてくれてありがとう」
ゆうちゃんはどういたしまして、と頭を下げる。
「あ、そうだ文化祭、一緒に回らない?」
1人がそう提案する。
するとみんなが、それいいね!と同意した。

