「え〜、ずるい〜!あ、優くんのあの涙ボクロ好きじゃない!?」

「好きに決まってるでしょ!2つあるよね」


「うん、右に2つ!」


私たちは大盛り上がりして、立ち上がらんばかりだ。




「あー、ほんと楽しい、絢香ちゃんと優くんの良さ語り合うのって。」


美優が目の端に溜まった涙を拭う。



「ほんとに、ずっと萌えながら笑ってられるね」


「それって最高じゃない?」

「最高」


私は笑いながら、コーラで水分補給する。





こんなに笑い合ってるけど、


もし、この先ゆうちゃんがどちらかと何かあったり、


誰かと付き合ったりしたら、


こんなふうに語り合えないだろう。


そう思うと、急にすこし切なくなる。



「どうかした?」


静かになった私を、美優が覗き込む。


「んーん」

私はそう言って笑った。


「言っとくけど」


美優が私をじっとみる。

大きな目が可愛くて、癒される。


「ん?」


「私たち、別に優くんがどっちかと付き合っても、

他の誰かと付き合っても、

ずっと何かしら話して、笑って、青春するんだからね。

私たち、ライバルだけど、それ以前に親友だし。」


美優が真顔で私の思ったことそのままの言うので、

「…っ、わかってるよ〜」

と一瞬目頭が熱くなったのをごまかすように笑った。