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「というわけで、各クラスの文化祭委員は、本日話した課題を来週までに決めてくるようにしてください」


委員長のその言葉で、第一回の会議は終了。

と、同時に…


「やっぱ、あれ綾瀬くんだよね」

「やば、文化祭委員やってよかった」

「でも、結城さんと仲良いって噂、やっぱりほんとなのかな、一緒に来てるし…」


「だってこの前、お姫様抱っこしてたんだよ…!?」

「ええええ、誰が誰を!」

「てか、メガネかっこよすぎない!?」

「決めた、私、文化祭終わったら告白する!」

「え、ずるい。私もする!」

「まだ彼女じゃないよね?あの子、結城さん」


「まだって何よ、いつか彼女になるみたいな言い方」

「でもあの人、強いし物理的に勝てなさそう」




…物理的に勝てなさそう、とは。

女子が口々に噂しているのを、聞いているのか聞いていないのか分からないが、

ゆうちゃんはぼーっと黒板の字を見ている。


そしてボソッと一言


「…猫耳カフェだけは、いやだ」


「なんで?」


「自分で言うのも悲しいけど…」


ゆうちゃんはメガネを取って目をこすった。



「襲われる自信ある」



………百理ある。