秘め恋*story4~病室で…~






「先生のせいだよぉ…ッ。。」




熱で頭の思考回路がイマイチ。
自分でも何を言ってしまってるのか考えられない。



それでも私は流れてしまう涙を必死に拭いながら、声をふりしぼった。




「先生が…合コン、行ってもいいなんて…言うからぁ…ッ。先生のばかぁ…。。」



「・・・」




ぼやっとする視界で先生を見た。
間接照明の頼りない灯りと、涙で、先生がどんな顔してるのか分からない。



きっと、呆れてるよ。




「ずっと…ずぅーっと、好きって伝えても…先生には届かないッ…10年経っても、嫌いになれなくて…苦しいよぉ。。」




ーーーーーーーバフッ。



え?


一瞬の出来事。
寝ている私に壁ドンならぬ、ベットドン。
覆い被さった先生が私を見おろした。




「美奈。」




優しく包み込んでくれるような声。
いつもの意地悪な声じゃない。



あれ?今初めて名前で呼んでもらえたっ?



そんなことより、えーっと、この状況は…



いくら考えようとしても、思考回路がぷっつり。これって、熱のせい?




「俺のことしか見えてないんだろ?
なんで合コンなんて行くんだよ、ばか。」



「せんせ…?」




少し目が慣れたせいか、先生の顔が見えた。
先生の意地悪な笑み。


どういうこと?




「いつもいつも、可愛い告白してくるし…」




今度はちょっと照れた困った顔…?
ぽぉーっと先生の顔を見つめてると、今度は
むっとして…




「俺の顔見たら、何て言うんだっけ?
まだ、聞いてないぞ?」




先生の顔を見たら…
自然と口から出てきてしまう。




「…せんせ、好き。」




好き、好き、好き。
今までたくさん伝えてきたこの気持ち。



いつも、先生は『はいはい。』って…




「俺も、美奈が好きだ。」



「え…」




何かよく分かんなくなってきた…
頭ぼーっとするし、何だか胸のあたりはドキドキだし…