暖かくなり、春を感じる4月始め。
私、鈴原翔(スズハラショウ)は今日から高校生!可愛い制服に身を包み、優雅に歩いて・・・人の目も気にせず全力疾走をしていた。


「翔!アンタ今何時だと思っているの!?遅刻するわよ!!」
お母さんの怒鳴り声で起きた。
「ん"ー・・・知らない、今何時ぃ?」
「8時15分よ!!」
「へぇそうなんだぁ・・・ん?8時15分!?」
寝起きでぼーっとしていた頭がやっと覚醒してことの重大さがわかった。
「ヤバい!遅刻!!なんでもっと早く起こしてくれなかったの!?」
「何度も起こしたわよ。まったく...お母さんもう仕事にいくから。朝ご飯、作っといたよ。」
そう言ってお母さんは颯爽と家を出て行った。


うちは、父の浮気が原因で小4の時に両親が離婚している。私はお母さんに引き取られ今は二人で暮らしている。だからお母さんは家計を支える為に夜遅くまで働いている。


「朝ごはん!?食べてる場合じゃないよぉ!」
急いでパジャマを脱いで制服に着替える。時計を見てみるともう8時20分だ。
「あ"〜!初日から遅刻ってあり得ない!!」
猛スピードで靴を履いて外へ出た。