「……。」
「大丈夫?吉田さん」
ハンカチを差し出す。
「…別に…いいのに。私を助けると変な目で見られるわよ?」
ボソッと言う吉田恭子。
「いいさ。目の前にイジメられてる人居るのに…見ないフリをする最低な奴になるよりは、マシだよ!」
ニコッと微笑んだ。
「…ありがとう」
少し赤くなりながらお礼を言われる。
「君って…クラスの子が噂してたけど…夢を自由に出入り出来るって本当?」
ベンチに座りながら訊ねる。
「…うん。
本当よ…誰も信じてくれないけど…」
「へぇ~俺そんな能力無いから、凄いなぁ~!!
人の夢を覗くってどんな感じなの?面白い?」
感心しながら質問を続ける。
「…信じるの?
こんな嘘みたいな話…」
「嘘なの?吉田さんって嘘を言う人には、見えないけど
別に疑う必要も無いし…」
クスッと微笑む。
目線を逸らす吉田恭子。



