「…さ、催眠術使えるようにしたいんですか?」
須賀先輩に訊ねてくる。
「あぁ…俺、将来父さんみたいな精神科の医者になりたいんだ!
まずは、そのための予行練習かな」
ニコッと笑顔を見せる。
さすが、須賀先輩。
素敵な夢だなぁ~と見惚れてしまう。
「あ、これ…良かったらどうぞ!」
その懐中時計を差し出す。
「えっ?貰っちゃっていいの?」
「はい。使わないし…こんな古いので良かったら」
私が持ってても気持ちが悪いし…早く手離したい。
「ありがとう…大事にするな」
嬉しそうに受け取る須賀先輩。
「どういたしまして」



