「こう…恭子ちゃんが、まだ生きてた頃で…俺がよく一休みしてた場所で本を読んでてさ」
懐かしく悲しそうに話し出す。
「ねぇ…父さん」
「うん?」
「う…ううん。何でも無い」
「どうしたんだ?
何かあったら遠慮なく言いなさい」
「いや…やっぱりいいや」
そう言い立ち去ろうとするが、途中で止まり
「父さんは…母さんを殺した夢魔を憎む?」
「…複雑だな。母さんを殺したのは、本当に許せない。
でも…憎む事で、全て済ませようとは、思わない」
「知ってる子だしな。助けて成仏をさせてあげたい」
複雑そうな表情で言う。
「…そっか…」
それだけ言うと部屋を出て行った。
静かにイスにもたれると溜め息を吐く父・智彦。



