むかし、むかし、あるところに小さなサーカスの名も無きピエロがいました。

ピエロはまんまるのボールの上でバランスをとり、派手に転んで、笑われるのがが僕の仕事


ところが観客席を見ると、1人少女は笑っていなかったのです。それどころか泣いていました


そんな悲しい顔をしないでよ
僕は笑われるのが仕事だから。君が笑ってくれれば、痛くも痒くもないんだよ

と、少女に言いました。

けど、少女はまだ泣いていました

どうして泣いてるのと聞くと

「あなたの嘘が悲しいの」って、

「嘘なんかひとつも吐いてないよ」

というと、少女ははまた泣き出してしまった。