右手首に温もりを感じた。
俊平が私の手首を掴んでいた。
…この状況、何!?
結構ヤバいんじゃない?私!
「な、なに?」
俊平はゆっくりと口を開いた。
「キスしたい。」
……ぇ!?
世界が止まる瞬間って…あるんだ…
そう心から思った。
だって…引きとめられて、なに言い出すかと思えば…これだよ?
「…ぇ?」
固まったこの体には力なんてかかりっこなくて。
足を動かそうとしても動こうとなんてしなくなってしまった。
「だめ?」
私の顔を覗き込みながら首をかしげる俊平に不覚にもドキッとする私がいた。
ばっ!ばかっ!
ここでこいつの波に呑まれちゃダメ!
「な、なに言って、るの…よ!」

