浮気性な彼

どうすればいいの！
沙耶、よーーーく考えるのよ！
今この状況で言い訳はできない。
だったら素直に謝って帰してあげた方が身のためでもある。
よし。これだ！

「なんでもない！…ごめん。戻ろっか」

チラッと俊平の顔を見るけど何もなかったかのように私を見つめる瞳に変わりはなかった。

「なんでもないことはねぇだろ」

突然口をひらいた俊平。

まぁ…確かに…
何もないってことはない。
嫌だったんだと思う。
でも、そんなこと言えるわけないっつの。

「何でもなかったって」

私は自分の本当の気持ちがバレないように、足を動かす。
でも、俊平はそれを許さなかった。