浮気性な彼

私は誰もいない教室で一人、涙を流した。


あれから俊平とは話もしていない。
同じクラスなのに目すら合わない。
いや…違う…
私があからさまに無視している。

でもね?
もうこれしかないの。
私、もう苦しい思いしたくないの。

好きだよ?
大好きだよ?
でも…誰にでもキスできるあんたと一緒になんていたくないから。


「彩芽〜。売店行こうよ」

私が苦しいとき、一緒にいてくれるのがこの親友の須藤 彩芽(すどう あやめ)。
私とは違い、ロングでさらさらな髪の毛が印象的。
とっても可愛い私の自慢の親友。

「行こ行こ〜」

手に財布を持ち、売店まで向かうけど、イマイチいいのが残っていない。

「食堂行く?」

私が提案すると彩芽は大きく縦に頷いた。

…あ。

目の前にある後ろ姿に過剰に反応している私。