浮気性な彼


「屋上行くぞ」

そう言い、私の手をとる俊平。
俊平に手をひっぱられ、それについていく私。

「昨日のは…違うんだ…」

違う…?

「違うって…何が!?キスしたことに代わりはないでしょ!?」

イライラがピークに達し、私の声はだんだんと大きくなっていく。

「確かに…キスはした。でも、そのキスになんの感情もねぇ。」

ほら。
キスしたんじゃんか…
なにがなんの感情もねぇよ…
感情のないキスはしてもいいの?

「一ノ瀬さんがキスしてきたの?」

俊平は少し俯き、小さく頷いた。
やっぱり…
そうか…
だって、負けないとか言ってたもんね。
でも、それはないよ?
人の彼氏にキスはいくら何でもしてはいけないでしょ…

「そっか…キスされて、抵抗しようとか思わなかったの?」