浮気性な彼


彼は強い瞳で私を見ると、教室から静かに出て行った。

何で…?
何で別れないの…?
好きじゃないんでしょ?
私のこと。
だから浮気するんだよね?

「わけわからないよ…」

私の独り言が教室内に響いた。

いつも聞こえる
吹奏楽部の練習の音色も

野球部の掛け声も

ダンス部の音楽も

今の私の耳には入ってこない。

頭の中で何度もリピートする俊平からでたあの言葉。
『俺のことすきじゃなかったんだろ?』

…あの頃の私は俊平一色だったよ?
俊平も私のこと想ってくれてるってそう思っていた。

でも違った。
あんたは浮気しはじめたじゃんか。

裏切ったのはあんただよ?