それだけ言って、教室に戻っていった一ノ瀬さん。
私だって、簡単な気持ちで付き合っているわけじゃない。
俊平の彼女は私でしょ?
こんなことでくじけるな!
沙耶!
私も教室へと戻る。
楽しそうに一ノ瀬さんと話している俊平の横顔が見えた。
…だめだ。
少し2人の姿見ただけでこんなにも胸がズキズキと痛む。
「沙耶?」
教室の入り口の前で立ち止まっていると、大雅が私のところへときた。
「大丈夫か?顔色悪りいぞ?」
涙が出そうになるのを必死に我慢する。
そんな私に気づき、こちらへと歩いてくる俊平。
「沙耶?どうした?」
「ちょっと体調悪りいみたい。俺が保健室つれていく。」
返事ができない私の代わりに返事をしてくれる大雅。
「俺がいく」
「淵上君、先生が私たちのこと呼んでるよ?」
私の手を掴んだ俊平のことを止める一ノ瀬さん。

