大丈夫。
信じよう。
俊平のこと…





「おはよう」

教室へ入ると後ろから挨拶されたので、振り返る。
彩芽か大雅かな?
なんて、甘く見ていた。

「ぇ…」

私の後ろにいたのは……

一ノ瀬さん。

「ぉ…おはよ…」

昨日のことがあって、まともに顔が見られない。
どうして?
今まで私に話しかけてきたことなんて、1度だってなかったのに…

「話したいことあるんだけど…HRまでまだ時間あるし、ちょっといい?」

話し…?
話ってなに?
嫌な予感が頭によぎる。

「大丈夫…だけど…」

一ノ瀬さんに女子トイレに連れていかれ、一ノ瀬さんが口を開く。

「私ね、淵上君のこと…好きなの」

ズキズキと痛む胸。

「私の気持ちは尾関さんに負けてない!好きなの!こんな気持ち…初めてなの!」

やめて…やめてよ…
私だって…一ノ瀬さんに負けてないもん。

「絶対…あなたから奪ってみせるから」

…っ!
一ノ瀬さんの強い瞳に本気なんだということがよく伝わる。