「ありがとう、彩芽…でもね…あの俊平だよ?今まで女遊びばっかりしてたし…」

信用してないわけじゃない。
でも、心配にだってなっちゃうよ…

「何言ってんの!多分浮気してたのだって俊平君も不安だったからだと思うよ?それに、一ノ瀬なんて暗いし可愛くもないし…大丈夫だよ」

…本当にそうだといいんだけど…

「もしだよ?もし、俊平君が沙耶を裏切るようなことしたら私が許さないからさ!でも、そんな人じゃないでしょ?」

彩芽…
彩芽がいてくれたから今の私があるわけだよね…

「ありがとう…彩芽。私、もう大丈夫!」

私はそう言って彩芽に笑って見せる。
彩芽に話して楽になった気がした。

「じゃ、私帰るね」

カバンを持ち、ローファーに足を入れる。

「じゃ、またね。沙耶!」

「うん!ばいば〜い」

彩芽に手を振り、家を出る。