ズキズキと痛む胸。
そんな状況で教室になんて入れるはずもなく、私はとぼとぼと彩芽の待っている門まで歩いた。

「もう〜おっそーい。って…忘れ物は?」

心配そうに顔を覗く彩芽に返事ができず、ただ俯くことしかできない。
あの2人のことが気になって…

「何かあったんでしょ?家きてゆっくり話しな。」

その言葉に私はコクンと頷く。



「ーーーというわけで…」

彩芽の家につき、私は放課後に見た一ノ瀬さんの告白について話した。

「やっぱりな…一ノ瀬絶対好きだと思ったんだよね」

彩芽知ってたの!?
ぇ!?

「一ノ瀬さんから聞いたの?」

「聞いてないよ。だいたいね、行動見てたら分かるよあんなの。」

そっかぁ。
彩芽はそうゆうの鋭いしねぇ。

「でも心配することないよ。沙耶の方が可愛いし、優しいし…私がもし俊平君なら、一ノ瀬なんて眼中にも入らないからさ!」

励ましてくれる彩芽に心がポカポカする。