「誰とだよ」

少しずつだんだん不機嫌になっていく俊平の声。
聞かなきゃいいのに…
なんて思いながらも正直にこたえる。

「中学のときの彼氏と…だけど」

私は質問にこたえただけなのに、急に舌打ちをぶちかまされる。

な、なんなのよ…
あんただっていろんな女の子とヤッてきてるくせにさ…
自分のことは棚に上げていいんですか…

「なんなんだよ。お前。俺が初めての相手じゃねぇのかよ」

あのね、そんな切なそうに言うけどね、あんたもだよ?

「そんなの、俊平だって一緒じゃん」

「でも、本気で好きになった女は沙耶が初めてだし?」

…そんなこと言われたら…許すしかないじゃん…ねぇ?
赤面する私を見て遊ぶかのように、私の耳を甘噛みしてくる俊平。

「ちょっ!…ひゃっ!も、もう!教室戻ろ!!」

これ以上一緒にいたら本当に心臓がもたないと思い、俊平と一緒に教室へと戻る。