私の頭の上に手をおき、顔を覗き込む大雅の瞳はすごく優しいものだった。

そうだよ。
ここで俊平に告白されたんだよ。
このベンチで。

「そう…だけど…」

なんで、俊平はそんな切なそうな顔で空を見ているの?

「あいつな、遊んでた女とは切ったんだってさ。」

ねぇ、大雅?
大雅は何が言いたいの?

「この間さ、あいつと話したんだ。沙耶のこと。」

俊平と…大雅が?

「そしたらさ、あいつすげぇ空っぽでさ。沙耶と付き合ってるときみたいな人間の温もりっつーか…力っつーかさ、それがなくなってて…すげぇ切なそうな顔でお前のこと見るんだよ」

やめてよ。
私がどれだけ必死に忘れようたしてると思ってんの…
何よ…今さら…

「だからさ、あいつこの公園で毎日お前のこと待ってる」