そんな彩芽の優しさに胸が温かくなる。
「俊平と、けじめつけなきゃなって…思ってさ…」
何度も見てきた俊平の浮気。
それを許して付き合ってきた私。
どっちもバカなことに代わりはない。
私っていう彼女がいながら私の目の前で浮気する俊平は相当なバカ。
でも、そのバカな浮気を許して俊平にすがっていた私も俊平と同じバカなんだ。
「沙耶。俊平君にも…何かあるのかもよ?だって…あんなに沙耶のこと好きそうだったのに…」
ありがとう…彩芽。
私もね、そうだと信じたい。
でも違うんだよ。
私のこと、好きじゃなかったんだと思う。
「理由はどうあれ、浮気は…浮気だし…」
何か理由があるなら、私は迷わず許すだろう、なんて理由があることを密かに期待していたんだと思う。
食堂で彩芽と同じカレーを食べ終え、私達のクラスである1-Bの教室へと足を運ばせる。

