恋時雨

気がついた時には、あたしは、康堵くんにお姫様抱っこされる寸前で...

康堵くんの胸の中にいた。

「康堵くんっ。やめっ...キャッ!!!」

「これで、麗奈が俺の彼女だって信じた?♪」

康堵くんは、得意気にそう言った。

「うっ。もういいわ!!」

「じゃ、俺の麗奈に文句つけんなよっ?」

「わかったわ。ね?ハナ。」

「うん。ごめんね、麗奈ちゃん。」

ハナちゃは、少し間を置いてから、ゆっくり、そう言った。